オイルプリングの効果の仕組み
オイルプリングは自然療法の中で、もっとも簡単でもっとも強力です。
ただ口を植物油ですすぐだけで効果があり、感染や疾患を改善できることが信じられないでしょう。
オイルプリングとは、どのように作用するのでしょう?
口に入れたオイルがなぜ口臭をなくしたり、健康を回復させるのでしょう?
実は回復させるのはオイル自体ではなく、身体です。
オイルは身体自身が治す方法を提供するだけです。
私たちの体は見事な生命体です。
私たちの身体には、機会を与えられればさまざまな疾患を治す治癒力が備わっています。
病気の原因である症状を取り除き、健康を回復、維持するために必要なものを身体に与えれば、ほぼいかなる疾患も克服できる可能性があります。
オイルプリングは口腔内の病原菌や毒素を取り除きます。
オイルはどのように働いているのでしょう?
まずは細胞についての説明をします。
口の中に生息する大半の微生物は単細胞(単一の細胞。1つの細胞から成り立っている生物)です。
こうした細胞は脂質の膜で覆われています。
つまり油に包まれている状態ですね。これが基本的に細胞の皮膚です。
私たちの細胞を取り囲んでいる細胞膜も主に脂質でできています。
油(脂質)と水を混ぜようとしても分離し、混ざりません。
しかし、2つの油を加えると一体化します。それぞれが引きつけ合います。
これがオイルプリングの秘密です。

口にオイルを入れると、微生物の細胞膜がそれに引きつけられます。
歯や歯肉の周りをオイルですすぐと、微生物は強力な磁石に引きつけられるように吸い取られます。
歯肉の隙間、歯の溝に潜んでいる細菌は、隠れ家から吸い出されて、唾液が混ざったオイルにしっかり捉えられます。
口の中でオイルを長い時間動かせば動かすほど、多くの細菌が引き出されます。
20分後にオイルは、細菌、ウイルスなどでいっぱいになります。
ですから、飲み込まないで吐き出した方が良いのです。
つまりオイルプリングは微生物や食べカスを口から引っ張り出し(pull)ます。
口腔内感染や侵入してくる細菌とその毒素を絶えず撃退する負担から解放された身体は、自然治癒に専念できます。
炎症が治まり、血液成分が正常化し、損傷を受けた組織は修復され、治癒が起こります。
オイルプリングに最適なオイルは?
オイルプリングは、インドの伝統的医学「アーユルヴェーダ」を起源としています。
2000年以上前の古典的なアーユルヴェーダの教科書では、「オイルによるうがい(oil gargling)を説明しています。
アーユルヴェーダも実践している医師のF・カラチュ博士が、アーユルヴェーダにおける「オイルによるうがい」を研究し、方法をまとめました。
そしてこれを「オイルプリング」と名付けたのです。
カラチェ博士は、オイルプリングで最適なオイルを精製ひまわり油と言っています。
アーユルヴェーダの文献では、「オイルによるうがい」について説明しており、ごま油が使われています。
ひまわり油やごま油は、オイルプリングを行っている人によく選ばれていますが、その理由は、アーユルヴェーダ発祥の地であるインドの家庭に一般的にあるからです。
実際のところ、どのオイルでも効果があります。
例えば、
・オリーブオイル
・落花生油
・からし油
そして、精製でも未精製でも、有機でも有機ではなくても、すべて効果は出ます。
私が好んで使っているのは、オーガニックバージンココナッツオイルです。

理由としては、
・安価なので経済的
・他の植物油より圧倒的に健康的
・味がきつくなくて口当たりが良い
という部分です。
加工済みココナッツオイルは味がほとんどありません。
ココナッツオイルの保存方法は?
ココナッツオイルを使いなれていない場合、室温で液体になったり固体になったりすることに驚かれるかもしれません。
ココナッツオイルは融点が高く、約25℃以上では他の植物油と同様に液体で、これより温度が低くなると固まります。
私はココナッツオイルの瓶を台所の調理台の下においています。
夏は大抵、液体の状態で、冬は固まります。